R15厄神と恐れられる鬼の朧(おぼろ)。祠に封印されていた彼だったが、ある日生贄の少女隠(なばり)がやってくる。生贄として死にたがる隠と、それを慌てて止める朧。彼女は朧が村を祟っているというが、朧にそんな心当たりはない。朧は隠に提案する。祟りを何とかする代わりに、その体に憑依させてほしい、と。旅人の少女と、鬼が織りなす和風ファンタジー。カクヨムでも公開しております

部活、バイト、クラスメイト。高校生活には『青春』なんてものがあるらしい。けれど、メガネぼっちの陰キャ女子・桜井には、そんなものは縁遠い。学校祭の役割も、目立たない会計係。クラスの人気者・カナエたちのキラキラした会話を横目に、今日もひっそり過ごすはずだった。ところが、学校祭当日。「代わりに桜井さんに歌って欲しいんだって!」突然、クラス対抗の歌合戦に出場することに。準備なし。音源なし。逃げ道なし。全校生徒を前に、桜井が選んだのは――アカペラだった。これは、ひとりの陰キャ女子が、ほんの少しだけ勇気を振り絞るお話。……たぶん。

味覚補正用口腔内インプラント。通称「口中調味料」。味覚を自由に変えられるようになった時代。会社の飲み会で、一人の若手社員が「口中調味料」の使用を打ち明けたことを発端に、ささやかな議論が巻き起こる。料理の味を変えるのは個人の自由か、それとも作り手への冒涜か。議論が次第に盛り上がる中、俺の隣に座る彼女は静かにグラスを傾ける。もしもの技術をめぐって巻き起こる、少しおかしなSF短編。


人がほとんどいなくなった近未来。「僕」は、事故で体を失ったアンドロイドのアイに呼び出される。頭だけになった彼女の右目は、いまでは手に入らない大切なパーツで、黒猫が持ち去ってしまったという。「僕」はアイの頭を抱え、黒猫の行方を捜すのだった。
昔から入退院を繰り返していた五宮桜咲はその日もすっかり慣れた病室にいた。でも唯一違っていたのはそんな彼女の前に見知らぬ男性が現れた事。自身の事を死神と名乗った男性は、桜咲に対して余命宣告をした。「貴方は一週間後に死にます」その日から一週間後、死ぬ事が決定してしまった桜咲。だがその代わりと言うように死神は彼女の望みを叶え最期の一週間を少しでも良い時間にしてくれるという。そして突然始まった人生最後の一週間。桜咲はどのように過ごし、人生の最期を迎えるのだろうか。