『桜井! 遅刻だぞ!』
「……すいません」
「久しぶりに遅刻だな」
「……佐川さん風邪引いたから」
「佐川さんに甘えるなバカ」
「……うん。 ちゃんと感謝『は』してる」
「……『は』? お前なぁ、感謝してるなら自分で努力もしろよ。 佐川さんはお前の親じゃないぞ?」
「……わかってる」
「……あのさ、佐川さんは――」
「柚子原」
「――っ!? ……相田」
「ちょっと来なさい」
「……はい」
「……あの二人仲いいな」
「ちょっと! ダメでしょ突っ込んじゃ!」
「いやだって……あれじゃ佐川さんがあまりにも――」
「分かってるよ! わかるけどそれも含めて『尊い』じゃん!」
「……おれはもう間近で見続けてしんどい」
「アタシはまだ見ていたい。 耐えろ」
「……えー」
「アタシのために耐えろ」
「……えー。 ……お前、佐川さんの友達なんだろ?」
「できれば自分の力で成就させてやりたいじゃん」
「……そりゃそうだけど」
「涼子はさ、『振り向いてもらうまで、頑張りたい』って自分で言ってた。 わかるよね?」
「……そか」
「察しが良くて助かる」
「……よし決めた。 余計な口は一切挟まない」
「……よし、長い間楽しめそうだ」
「……相田、目的変わってない?」
「リンコでいーよ」
「あ?」
「涼子と桜井君を見守る会でしょ。 『相田』ってよそよそしい」
「……わかった。 リンコ」
「へへ」
「佐川さん休みか……」
「……さみしい、のかな」
悠吾は呟いた。
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