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部活、バイト、クラスメイト。高校生活には『青春』なんてものがあるらしい。けれど、メガネぼっちの陰キャ女子・桜井には、そんなものは縁遠い。学校祭の役割も、目立たない会計係。クラスの人気者・カナエたちのキラキラした会話を横目に、今日もひっそり過ごすはずだった。ところが、学校祭当日。「代わりに桜井さんに歌って欲しいんだって!」突然、クラス対抗の歌合戦に出場することに。準備なし。音源なし。逃げ道なし。全校生徒を前に、桜井が選んだのは――アカペラだった。これは、ひとりの陰キャ女子が、ほんの少しだけ勇気を振り絞るお話。……たぶん。

味覚補正用口腔内インプラント。通称「口中調味料」。味覚を自由に変えられるようになった時代。会社の飲み会で、一人の若手社員が「口中調味料」の使用を打ち明けたことを発端に、ささやかな議論が巻き起こる。料理の味を変えるのは個人の自由か、それとも作り手への冒涜か。議論が次第に盛り上がる中、俺の隣に座る彼女は静かにグラスを傾ける。もしもの技術をめぐって巻き起こる、少しおかしなSF短編。

