水気のあるところには霊が寄りやすい、なんてのはよく聞く話だ。
雨上がり。
歩道にできた水溜まりに足を入れないように下を向いて歩いていた。
一瞬違和感があって、足を止める。
――目、があった。
水溜まりの中に。
周囲に人はいない。誰かの目が映り込んだ、というわけでもなさそうだ。
怖さも不気味さも、そんなに感じない。
だけど、ちょっと――
「スカートの中でも覗くつもり?
えっちな怪異だなあ」
そう言うと、目がすぅ……と消え、今度は口になった。
あんぐり、と空いていた。
「なにそれ、『お前なんか興味無い』って事?」
ムカつく。
思いきり、その水溜まりを踏んづけてやった。
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