春は、思っていたよりもずっと早く来た。
学校の裏手の桜並木が、ある朝、一斉にほころんだ。淡いピンクの花びらが、風に乗って校庭へ降り、グラウンドの砂の上に、小さな模様を描いていた。
あかりは、その景色を、部室の窓から眺めていた。
もうすぐ、ハルが旅立つ。出発の日は、三週間後と決まっていた。
その事実は、まだ、あかりの中で現実味を持っていなかった。ハルは、今日もいつもどおり、部室で望遠鏡を磨いている。ユウマとサキは、新入生の勧誘ポスターを作っていて、教室の隅では、笑い声が絶えない。ケンは、リハビリがようやく終わって、今はキャッチボールの練習を始めたと聞いた。
それでも、時間は、静かに、確実に進んでいた。
「三浦さん、今夜、天文台に行きませんか」
ハルが、突然そう言ったのは、四月の初めの放課後だった。手には、一枚の封筒が握られている。
「宇野先生から、連絡が来たんです。今年の春の観測会、特別に入れてくれるって」
「本当?」
「はい。僕たちと、みんなも、よかったら連れてきていいって。最後の観測会にしようと思うんです」
最後。その言葉が、あかりの胸に、重く響いた。
けれど、あかりは、笑って頷いた。
「行こう。みんなで」
その夜、五人は、再びあの天文台へ向かった。
電車の中は、少し賑やかだった。ユウマは、窓の外を見ながら、「やべえ、星見る前からわくわくする」と何度も繰り返していた。サキは、スケッチブックを膝に抱えて、時々ペンを走らせている。
ケンは、あかりの隣に座っていた。肩には、まだ少し、白いテーピングが残っている。
「大丈夫? 肩、疲れてない?」
あかりが聞くと、ケンは、苦笑いをした。
「お前、そればっかりだな。大丈夫だよ。今日は、ちゃんと休みながら来てる」
「そっか」
「それより、お前こそ、ちゃんと寝てるのか。顔、疲れてるぞ」
「寝てるよ」
「嘘つけ」
ケンの声は、からかうように、でもどこか優しかった。その声を聞いて、あかりは、少しだけ、胸の緊張がほどけていくのを感じた。
ハルは、向かいの席で、窓の外を見ていた。その横顔は、いつもより少しだけ、遠くを見ているようだった。
天文台に着くと、宇野先生が、いつもの白衣姿で迎えてくれた。
「やあ、みんな、よく来てくれたね。今夜は、よく晴れてるよ」
先生が指差した空には、無数の星が、まるで砂をまいたように広がっていた。山の上の空気は、驚くほど澄んでいて、星の一つひとつが、はっきりと見えた。
「わあ……」
ユウマが、大きな声を上げた。サキは、言葉もなく、空を見上げていた。その目が、きらきらと輝いている。
ドームの天井が、ゆっくりと開いていく。冷たい夜風が、中へ流れ込んできた。
宇野先生が、大きな望遠鏡の調整をしながら、説明を始めた。
「今夜は、まず、木星を見よう。そのあと、春の銀河を探してみようか」
望遠鏡の筒が、ゆっくりと動いて、木星の位置に止まる。接眼レンズを覗いたユウマが、「うおおお」と声を上げた。
「縞模様! 縞模様が見える!」
「それは、木星の雲の帯ですね」
ハルが、静かに説明する。ユウマは、何度も頷きながら、レンズを覗き続けた。
次に、サキが覗いた。その瞬間、サキは、小さく息を呑んだ。
「……綺麗」
それ以上、何も言わなかった。ただ、その目から、一粒の涙が、そっと頬を伝った。
あかりは、その光景を見て、胸がいっぱいになった。
最後に、ケンが、レンズを覗いた。彼は、しばらく黙っていた。それから、ぽつりと言った。
「……俺、こういうの、今まで見たことなかった」
「そうなの?」
「ああ。野球ばっかりやってて、星なんて、見上げる余裕もなかった」
ケンは、ゆっくりと体を起こした。そして、夜空を見上げた。その顔は、穏やかで、どこか、昔の少年のようだった。
宇野先生が、春の銀河を指差した。
「あれが、おとめ座銀河団だ。何千もの銀河が、集まっている。光が届くまで、何億年もかかるんだよ」
「何億年……」
あかりは、思わず呟いた。今見ている光は、何億年も前に、そこから旅立った光なのだ。
「それって、なんか、すごいですね」
ユウマが、ぽかんと口を開けて言った。その横で、ハルが、ゆっくりと頷いた。
「はい。僕たちが見てる星は、今の姿じゃないんです。昔の姿を、見てるんですよ」
その言葉に、あかりは、はっとした。ハルは、遠くを見ていた。その目の奥に、何か、大切なものが映っているようだった。
夜が更けて、宇野先生が、そろそろ帰ろうと言い出した。みんなは、名残惜しそうに、ドームの外へ出た。
冷たい空気の中で、五人は、並んで空を見上げた。
流れ星が、ひとつ、音もなく流れていった。
「あっ」
五人の声が、また、同時に重なった。その瞬間、ユウマが、大声で叫んだ。
「藤原先輩、絶対、向こうでも星見てくださいよ! 俺、写真送ってもらうの、楽しみにしてますから!」
ハルは、驚いたように振り向いた。それから、ふっと笑った。
「はい。佐伯くんも、ちゃんと野球、頑張ってくださいね」
「そこは、任せてください!」
ユウマが胸を張ると、みんなが笑った。笑い声が、冷たい夜空に、白く響いていった。
サキは、スケッチブックを開いて、今日見た星を、必死に描き留めていた。その隣で、ケンが、なぜか少し、照れくさそうに、ハルの肩を叩いた。
「藤原、向こう行っても、負けるなよ」
「高橋くんこそ。肩、大事にしてくださいね」
「お前もな。変なとこで無理すんなよ」
二人は、短く言葉を交わして、同時に笑った。その様子を見て、あかりは、なぜか胸の奥が、少しだけ痛んだ。
出発の日は、晴れていた。
駅のホームには、五人が集まっていた。ハルの大きな鞄を、ユウマが重そうに持っている。サキは、手に、描きかけのスケッチブックを抱えていた。
「これ、藤原先輩に、あげます」
サキが、スケッチブックから、一枚の絵を切り取って、ハルに差し出した。
それは、今夜見た、木星の絵だった。縞模様の一本一本まで、丁寧に描き込まれている。
「ありがとうございます。大事にします」
ハルは、その絵を、そっと受け取った。その手が、少しだけ震えていた。
電車が、ホームに入ってきた。ドアが開く音が、やけに大きく響く。
ハルは、一歩、電車へ踏み出した。それから、振り返った。
「三浦さん」
「うん」
「ありがとうございました。ここに来て、本当によかった」
あかりは、何か言おうとして、言葉が出てこなかった。喉の奥が、熱くて、息が詰まった。
「私も。藤原くんに会えて、よかった」
それだけ、やっと言えた。
電車のドアが、ゆっくりと閉まる。ハルの顔が、窓の向こうで、小さく揺れた。その唇が、「また、星を見ましょう」と動いたように見えた。
あかりは、必死に手を振った。その手が、少しだけ、震えていた。
電車は、ゆっくりと、ホームを離れていく。その姿が見えなくなるまで、五人は、ずっと、そこに立っていた。
出発の前日、あかりとハルは、放課後の屋上にいた。
四月の夕方の空は、まだ少し冷たかった。フェンスの向こうには、桜並木が淡いピンクに広がっている。風が吹くたびに、花びらが、屋上まで舞い上がってきた。
「三浦さん、ここ、好きですよね」
ハルが、フェンスにもたれながら言った。あかりは、頷いた。
「うん。ここで、初めて、流れ星を見たから」
「僕も、ここが一番好きです。三浦さんと、初めて、二人きりで星を見た場所だから」
ハルの声は、いつもより、少しだけ低かった。あかりは、横目で、その横顔を見た。夕日の光が、彼の頬を、柔らかく照らしていた。
「明日、行っちゃうんだね」
「はい。でも、今日は、まだ、ここにいます」
ハルは、少しだけ笑った。その笑顔が、夕暮れの中で、ほんのり寂しく見えた。
「三浦さん、約束、してもいいですか」
「約束?」
「向こうで、星を見るたびに、三浦さんにメッセージを送ります。写真でも、言葉でも、なんでもいいから。だから、三浦さんも、ここから、同じ星を見ててほしいんです」
あかりは、息を止めた。その言葉が、胸の奥に、まっすぐに届いた。
「うん。約束する」
あかりは、小指を差し出した。ハルは、少し驚いたように、その指を見つめた。それから、照れくさそうに、自分の小指を、そっと絡めた。
「子どもみたいですね、これ」
「いいの。こういうのは、子どもみたいなのがいいんだよ」
二人は、笑いながら、指を離した。その指先に、まだ、温もりが残っていた。
ハルは、夕焼けの空を見上げた。空は、紫から、藍色へと、ゆっくり変わっていく。
「三浦さん、知ってますか。流れ星って、本当は、全部、宇宙の塵なんです」
「うん、知ってる」
「でも、そのかけらが、大気に触れて、光るんです。消える瞬間まで、ちゃんと、輝いてる」
ハルは、そう言って、少しだけ目を細めた。
「僕、それが、一番、綺麗だと思うんです。誰にも見られなくても、ちゃんと光ってる。そういう生き方、したいなって」
あかりは、その言葉を、胸の中で、何度も繰り返した。ハルは、ずっと、自分の光を、探していたのだ。
「藤原くんは、もう、ちゃんと光ってるよ」
あかりが言うと、ハルは、驚いたように振り返った。それから、ふっと笑った。
「三浦さんに、そう言ってもらえると、なんか、安心します」
その夜、あかりは、なかなか眠れなかった。
部屋の机の上には、ハルから貰った星図が広げてあった。宇野先生がくれたものだ。山の天文台で、ハルと一緒に見た土星の記録が、丁寧な字で書き込まれている。その隅に、小さな星印がいくつも描かれていた。
それは、ハルが観測した星の位置だった。いつか、あかりと一緒に見ようと、印をつけておいてくれたものだ。
あかりは、その星印を指でなぞりながら、ぽつりと呟いた。
「ばか」
声は、部屋の静けさに、ふっと消えた。
そのとき、携帯が震えた。画面には、母の名前が表示されていた。
「あかり、まだ起きてる?」
「うん、起きてる」
「あのね、台所に、おにぎり置いといたから。明日の朝、ちゃんと食べていきなさいよ」
母の声は、いつもより少しだけ、優しかった。あかりは、思わず携帯を強く握った。
「お母さん、私、大丈夫だよ」
「そう。ならいいけど。あんた、昔から、一人で抱えるとこあるから」
その言葉は、ケンや篠原先生と、同じだった。あかりは、少しだけ笑ってしまった。
「ねえ、お母さん。天文部、ちゃんと続いてよかった」
「そうね。あんたが頑張ったからよ」
「ううん、みんながいたからだよ」
電話の向こうで、母が、ふっと笑う気配がした。
「そっか。いい仲間がいるのね。大事にしなさい」
「うん」
電話を切ったあと、あかりは、窓の外を見た。夜空は、薄い雲に覆われていて、星は、ほとんど見えなかった。
それでも、あかりは、そこに星があることを知っていた。見えなくても、ずっとそこにある。それは、きっと、ハルも同じように思っているはずだった。
翌朝、あかりは、母が用意してくれたおにぎりを頬張りながら、学校へ向かった。
教室では、クラスの友人たちが、昨日のテレビ番組の話で盛り上がっていた。田村が、あかりの机に寄ってきて、にやりと笑った。
「三浦、なんか、今日は元気ないな」
「そうかな」
「そうだよ。お前、いつも星の話ばっかしてるのに、今日は静かだし」
田村は、からかうように笑った。それから、ふと真面目な顔になった。
「なあ、三浦。お前の部、廃部、ちゃんと回避できたんだよな」
「うん、できた」
「よかったな。俺、正直、あの展示見て、ちょっと感動したんだ。星ってすげえなって」
あかりは、田村の言葉に、少しだけ驚いた。田村が、そんなふうに思っていたなんて、知らなかった。
「ありがとう、田村くん」
「礼はいいよ。またなんか、展示やるときは、声かけてくれよな。手伝うから」
「うん、わかった」
田村は、照れくさそうに、自分の席へ戻っていった。その後ろ姿を見て、あかりの胸が、ほんの少しだけ温かくなった。
昼休み、あかりは、生徒会室に寄った。レイは、窓際で、書類を整理していた。
「水瀬先輩、ちょっとだけ、いいですか」
レイは、顔を上げて、少しだけ眉を下げた。
「三浦さん、ちょうどよかった。あなたに、話したいことがあったの」
「なんですか」
「私、来月で、生徒会を引退するの。来年は、あなたが、生徒会の一員として、天文部を見守ってくれたら、って思ってる」
あかりは、目を見開いた。レイが、そんなことを考えているなんて、思いもよらなかった。
「私が、生徒会に?」
「そう。あなたなら、きっと、いい仕事ができる。ずっと、一人で頑張ってたの、見てたから」
レイの声は、静かだった。その目は、真っ直ぐにあかりを見ていた。
「ありがとうございます。でも、私、まだ、自分に自信がなくて」
「自信なんて、やってるうちにつくものよ。私も、そうだったから」
レイは、ほんの少しだけ微笑んだ。その笑顔は、いつもの厳しさが、少しだけ和らいでいた。
放課後、あかりは、部室へ向かった。扉を開けると、ユウマが、窓際で、新入生のための星座早見盤を作っていた。サキは、その隣で、色鉛筆を使って、星の色を丁寧に塗っている。
「あ、三浦先輩、見てください! これ、俺が作ったんすよ!」
ユウマが、誇らしげに早見盤を掲げた。その盤は、少し歪んでいたけれど、一生懸命に作ったことが、よくわかった。
「すごいね、佐伯くん。上手にできてる」
「本当っすか! やった!」
ユウマは、子どものように飛び跳ねた。その様子に、サキが、くすくすと笑った。
「佐伯くん、さっき、ネジを床に落として、三回も探してましたよ」
「ちょ、小林、それ言わないでって!」
部室が、笑い声で満たされていく。その音が、窓の外の桜並木まで、届いていくようだった。
あかりは、ふと、窓際の、ハルの席を見た。そこには、誰も座っていない。けれど、机の上には、ハルが残していった、小さな望遠鏡の部品が、大切そうに置かれていた。
あかりは、そっと、その部品に触れた。冷たい金属の感触が、指先に伝わってくる。
ここから、また、新しい季節が始まるのだと、あかりは思った。
ハルがいなくても、天文部は、続いていく。それは、ハルが、ずっと見守ってくれていたからこそ、できることだった。
その週の終わり、新入生の見学会が開かれた。
青葉高校の校庭には、新しい制服を着た一年生が、少し緊張した顔で集まっていた。天文部の部室の前には、ユウマが手作りの看板を掲げている。『星を見たい人、大歓迎!』。その字は、お世辞にも綺麗とは言えなかったけれど、どこか温かかった。
「三浦先輩、本当に来ますかね、一年生」
ユウマが、不安そうに聞いてくる。あかりは、笑って答えた。
「来るよ。佐伯くんの看板、ちゃんと目立ってるもん」
「本当っすか! よかった!」
ユウマは、ほっとしたように胸をなで下ろした。その様子を見て、サキが、くすくすと笑った。
昼過ぎになると、部室の扉が、少しずつ開き始めた。最初に入ってきたのは、眼鏡をかけた小柄な男の子だった。
「あの、天文部って、ここですか」
「そうだよ。見学?」
「はい。実は、僕、去年、テレビで流星群を見て、それからずっと、星の本を読んでて」
男の子は、顔を赤くして、俯いた。その手には、ボロボロになった星座の本が握られていた。
あかりは、その本を見て、胸がじんとした。自分も、中学の頃、同じように、図鑑をボロボロになるまで読んでいた。
「ようこそ、天文部へ。ゆっくり見ていってね」
男の子は、ぱっと顔を上げた。その目が、きらきらと輝いていた。
次々と、一年生が部室を訪れた。サキが描いた星空の絵に目を見張る子。ユウマの星座早見盤を、いじり倒す子。そして、窓際の古い望遠鏡を、そっと覗き込む子。
あかりは、その光景を、部室の入り口から、ずっと見守っていた。
気がつけば、部屋の中は、笑い声と、質問の声で、いっぱいになっていた。
「先輩、この望遠鏡、どうやって組み立てるんですか」
「それはね、佐伯くんに聞いて。組み立てのプロだから」
「ちょっと、三浦先輩! プロって言わないでくださいよ!」
ユウマが、真っ赤になって叫んだ。その声に、一年生たちが、どっと笑った。
その笑い声の中に、あかりは、ハルの声を聞いたような気がした。ハルも、昔、同じように、この部室で、一人で望遠鏡を組み立てていた。誰も見ていないのに、丁寧に、一つひとつのネジを締めていた。
あかりは、そっと、窓の外を見た。
桜の花びらが、また、ふわりと舞っていた。
その日の夜、あかりは、ハルに手紙を書いた。
『藤原くんへ。今日、一年生がたくさん見学に来てくれました。みんな、星が大好きな目をしていました。藤原くんがいつも言っていた、「見えないからこそ、見える星がある」という言葉を、私も、少しずつわかってきた気がします。藤原くんが旅立ってから、天文部は、少しずつ、大きくなっています。きっと、藤原くんも、どこかで喜んでくれていると思います。三浦あかり』
書き終えて、あかりは、手紙を、丁寧に折りたたんだ。窓の外では、夜風が、星を揺らしていた。
翌日、生徒会室で、レイに、入部希望者の名簿を渡した。
「十二人も、来てくれたの」
レイが、目を丸くして、名簿を見つめた。その顔が、少しずつ、ほころんでいく。
「すごいじゃない。あなたたち、本当に、頑張ったのね」
「はい。でも、これは、私たち全員の力です」
「そうね。その通りだわ」
レイは、名簿を、大事そうに机の上に置いた。その姿は、いつもの厳しい副会長ではなく、ただの、一人の女の子のように見えた。
「三浦さん、来年、生徒会に入るの、考えておいてね。あなたなら、絶対に、いい役割ができるから」
「はい。考えておきます」
あかりは、深く頭を下げた。レイは、その姿を見て、小さく笑った。
生徒会室を出ると、廊下の窓から、春の光が、まっすぐに差し込んでいた。その光の中を、一年生たちが、笑いながら歩いていく。
あかりは、その姿を見送りながら、胸の奥が、ほんのり温かくなるのを感じた。
ハルが旅立った日、電車の窓の向こうで、彼の唇が「また、星を見ましょう」と動いたのを、あかりは、今も覚えていた。
その言葉を、あかりは、ずっと、心の中で、大切に抱いていた。
それは、まるで、遠くへ旅立つ光の粒のように、あかりの目に映った。
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